こんにちは!現役保育園看護師のはるです!
以前、看護学生さんからこんな質問を受けたことがありました。
保育園看護師に興味があるのですが、新卒で保育園看護師になることは可能ですか‥?
どんな勉強をしておいたらいいですか?
『保育園看護師』というと、病院勤務の看護師とは違い、どんなことをしているのかイメージがわきにくいという方もいるのではないでしょうか。
学生さんのなかには、『保育園看護師』っていう仕事は知らなかったけど、看護学生の時の保育園実習(小児分野などで)でその仕事を知って興味を持ったという人もいるようです。
子供たちに関われて楽しそうだな…保育園看護師になってみたいかも…と思う反面、新卒でいきなり保育園看護師になることはできるの?という疑問もありますよね。
今回は、「保育園看護師新卒向けガイド!重要ポイントまとめ」と題して、新卒で保育園看護師として働くためのポイントを、現役目線でまとめたいと思います!
保育園看護師 新卒での採用はある?新卒可の理由は?
結論、新卒で保育園看護師として働くことは可能ですが、新卒で保育園看護師を選ぶのはレアケースといえます。
ですが、わたしもそのレアケースの1人。1年で保健師を辞めて、病棟経験もなし。ほぼ新卒状態で保育園看護師になりました。
保育園看護師になる方のほとんどは、
『前職は病棟の看護師をしていたが、日勤だけの仕事がよくなった』
『病棟の人間関係に疲れて、別の環境で働こうと思った』
『一度看護師を辞めてブランクがあるので、医療行為の少ない保育園看護師に興味を持った』
という理由で転職する方が多いです。つまり、セカンドキャリア的に保育園看護師を選ぶ人が多いと言えるでしょう。
保育園看護師は医療行為の少ない看護職という特徴があるので、求人情報を見ていると、“未経験可”、“新卒可”という条件を出している園が多いです。
新卒・未経験でも採用可な理由は、以下が考えられます。
①基本的に健康な子どもたちが対象なので、医療行為がなく保育補助がメインだから
②新卒でも基本的な看護技術の知識があるから
③長期的に働いてほしいから
④実際に働くと、現場で学んでいくことが多いから
現役保育園看護師として働く経験を踏まえて、『保育園看護師は新卒でも可能』とされる理由を詳しくお伝えしていきますね。
①基本的に健康な子どもたちが対象なので、医療行為がなく保育補助がメインだから
医療的ケアが必要なお子さんをお預かりしている園もありますが、そうではない園で勤務する場合は、基本的に保育補助のお仕事がメインです。
ですので、ミルク作りやおむつ替えをすることもあれば、一緒にお散歩へ出かけることもあるし。製作のお手伝いをすることもあります。
保育室を清潔にすることも大切なので、清掃・消毒も行います。
保育補助の仕事をこなしながら、子供たちがお昼寝をしている間や職員の手が足りている時間を見つけて、内科健診や歯科健診の準備をしたり、市役所への報告書類(感染症発生数や健診結果)を作成したりしています。
ケガや体調不良の子がいたら、看護師が手当てをしたり、保護者の方がお迎えに来るまで別室にて見守りをしたりすることもあります。
イメージがわきやすいようにざっくり表すと、保育士さんの仕事のお手伝いをしながら、保健室の先生的な役割も担っているといった感じです。ケガの手当てや、万が一の場合に心肺蘇生法・エピペン注射ができるといった知識と技術が必要ですが、高度な医療行為はないので、新卒やブランクのある方でも就職しやすい仕事内容となっています。
②新卒でも基本的な看護技術の知識があるから
看護学校での授業や実習において、基本的な知識は身についていますよね。
その中で特に役立つのは、感染症に知識とフィジカルアセスメントの知識です。
保育園では年中いろんな感染症が流行するので、感染症の特徴に合わせた消毒方法を実施(ノロウイルスならアルコール消毒が効かないので、塩素系漂白剤か加熱処理で消毒…など)します。手洗いも感染症予防では大切なので、正しい手洗いのやり方を看護師目線で伝えることもできます。
あとは、体調不良の子がいた時。
『お昼寝中に咳が出て眠れなそうだけど、呼吸数は正常かな?苦しそうではないかな?』
『熱が少し高いけど、機嫌はいいし食欲もあるな。こもり熱かな?水分補給をして、様子を見てから保護者の方に連絡しよう』
など、体調を言葉でうまく伝えられない子どもたちの状態を、バイタルサインや視診でアセスメントするのも看護師ならではの知識がベースにあるからですよね。
保育士さんは保育のスペシャリストですが、保育学校ではそのような保育保健の内容が含まれた授業はないそうです。そんな時に、医療の知識のある看護師がいると、別の視点でアドバイスができるのでとても重宝されます。
③長期的に働いてほしいから
保育業界も、看護業界と同じく女性の多い職場。結婚や出産、それに伴う引越しなどライフスタイルの変化によって退職する方も多いです。
ベテランの職員も必要ですが、人手不足にならないよう、長期的に働いてくれる若手も力も必要になってきます。
そして、保育の仕事は体力も必要です。フレッシュで若々しい人材がいてくれたら職場も助かるし、なにより子どもたちも思いっきり遊んでくれる先生が大好きです。
そんな保育業界では、若手はかなりありがたい存在となっています。
④実際に働くと、現場で学んでいくことが多いから
新卒で保育園看護師になるのは確かにレアケースですが、実際私は病棟経験なし・保健師を1年で退職した『ほぼ新卒』状態で保育園看護師へと転職しました。
不安も少しありましたが、興味のあった仕事なので『やってみたい』の気持ちが上回りました。
実際に保育園看護師として働いてみると、定期的に研修に参加して知識のアップデートもできるし、働きながら覚えていくことの方が多いです。また、前述したように医療行為も行っていないので、『ほぼ新卒、病棟経験なし』の私でも保育園看護師を9年続けることができています。
以上のことから、基本的な看護知識を持った上で、働きながら現場や研修で知識と技術を深めていける人であれば、新卒でも保育園看護師は可能です。
どの職業でも共通して言えることですが、『やらされる仕事』よりも『やりたい仕事』の方が長い人生の中では大切になってくるわけで、新卒だから無理かもと諦めてしまうのはもったいないかなと感じます。
新卒でも保育園看護師として成功するポイントは?
ほぼ新卒状態で保育園看護師になった私ですが、嬉しいこと・楽しいこと、大変なことなど様々な経験をしながら9年続けています。
今となっては、あの時はこうしておけばよかったな…と反省することもありますが、もし私が保育園看護師になりたての自分にアドバイスするなら何ていう?という視点で、『新卒でも保育園看護師として成功するポイント』をまとめたいと思います。
ポイント① 保育園看護師の役割と仕事内容を理解する
ケガや体調不良など看護師の仕事以外は、保育補助がメインとなります。
『おむつ替えや子どもたちと一緒に遊ぶなど…これ、ほとんど保育士さんと同じじゃん』と思うような仕事も、保育園看護師にとっては大切な仕事です。子供達の普段の様子を知ってこそ、『いつもと違う』に気がつきやすくなります。
逆に、それを不満に思う方は、保育園看護師の仕事は合わないかもしれません。
ポイント② コミュニケーションを大切にする
保育園看護師の仕事は1人ではできません。職員と協力しながら進めていくものが多いです。
子どもたちはもちろんですが、保護者の方、職員とのコミニュケーションがうまく取れると、仕事がしやすくなりますよ。
コミニュケーション上手になるコツは、ありきたりですが笑顔で挨拶すること。そしてささいなことでもほめること。お礼を言うこと。
『(保護者の方に対して)今日の〇〇ちゃん、こんなことができるようになっていて驚きました』
『〇〇先生、〜の準備ありがとうございました』
こんなふうに言われて嫌な気持ちになる人はいませんよね。ささいなことに気づいて言葉にできると、自分にもプラスな言葉で返ってきますよ。
ポイント③ 学校で学んだ知識を実践に活かす
看護師の視点で、感染症対策や健康教育をするなど…看護師の知識を活かせる場面が多々あります。
清潔に関すること、ケガの手当てなどの知識も、意外と保育業界では間違えて行っている人もいます。(濡れた手にアルコールをつけて消毒。擦り傷などのケガにはまずマキロンなど…)
私の職場の場合、全職員が同じ知識をもって対応できることが1番だと感じたので、『最新版ケガの手当ての方法』という職員に対するミニ健康教育のプリントを配った時は好評でした。
ポイント④ 学ぶ姿勢を大切に
保育園看護師も、定期的に研修会に参加します。そこで得られた知識を、職場に持ち帰って職員に報告したり、今後どう取り入れていくとよいかを話し合ったりします。
保育保健に関することだけでなく、保育に対しても学んでいく姿勢が大切です。
『あの先生の言葉かけ、素敵だな』『あの先生の遊び方、私も真似してみよう』
そんな風に、周りの先生方からいいところを盗むような感じでわたしは真似しています。
少し驚いたのが、保育園看護師も『〇〇先生』と呼ばれることです。子どもたちに名前を覚えてもらって、『せんせ〜!!』と呼ばれる瞬間は今でも嬉しいもの!
笑顔を忘れず楽しみながら仕事に取り組めたら(安全にも配慮しつつ)、新卒ベテラン関係なく立派な先生なのです。
新卒で保育園看護師になる!準備しておきたいこと
新卒で保育園看護師になるための準備と心得について説明します。準備をしておくことで、スムーズに仕事を始められますよ。
・保育園での業務内容を事前に調べる
・子どもとの接し方を学ぶ
・ 実習で得た経験を活かす
・積極的に学び続ける姿勢を持つ
実際、保育園看護師は高度な医療行為がないので、応急処置の知識や感染症の知識、体調不良児の知識をつけていることで対応できることがほとんどです。
経験やスキルもそうですが、学びながら仕事で実践するという姿勢の方が大事かなと思います!
書籍で学べる知識は、今のうちに勉強しておきましょう!
↓これ一冊があれば、保育園看護師の仕事を全体的に学べます!健康教育をする時にも使える内容が含まれているのでオススメです。
↓ケガの手当てに関する知識は必須!こちらの本はフローチャート式に手当ての方法がわかるので、手元に置いておくと便利です
保育園看護師になってみたいけど、悩んでいる…という方は、仕事内容の他にも、働く環境を事前に情報収集しおくことも大切です
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保育園によりますが、新卒の看護師でも保育士でも、皆同じ対応ができるようにマニュアルが整えられています。保育園看護師として長く働くために、就職活動をする時は以下のようなサポート体制があるか確認してみましょう。
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新卒の保育園看護師が避けるべきミスについて説明します。以下の点に注意することで、ミスを減らして、“できる保育園看護師”に近づけますよ。
① 相談せずに独断で行動する
② 小さな変化に気付かない
③ 子どもたちとの信頼関係を軽視する
④ 健康管理を怠る
これらは、保育園看護師だけに言えることだけではなく、社会人として必要な姿勢とも言えるかもしれませんね。
新卒さんだからこそ、失敗をしながら成長していく経験も大切かもしれません。でも、上記のことを初めからできる新卒さんはなかなかいないので、ぜひ意識してやってみてください。
まとめ:新卒で保育園看護師として成功するために
新卒で保育園看護師になることはレアケースですが可能です。高度な医療行為がなく、基本的に健康な子どもたちを対象にしているので、基本的な看護知識で対応できることがほとんどです。
現役保育園看護師の私の考えとしては、新卒だとしてもベテランだとしても、学びながら仕事の中で実践していく姿勢の方が大切かなと思います。
『やってみたい』という気持ちが少しでもあるなら、後悔しないためにも早めの準備と情報収集をしましょう!
最後に、保育園看護師の仕事を続けている身として1つお伝えしたいのは、『保育園看護師の仕事は楽しいが、続けていくには職場選びがなによりも大切』ということです。
いくら楽しい仕事でも、周りの人間関係がそもそも悪かったら続けていくことはかなりの苦痛です。(これは保育園看護師に限らず、病院に勤務する看護師にも言えますが…)
なので、自分で情報収集をしたり、職場見学に行って雰囲気を確かめたりして、失敗しない就活をしてくださいね!
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